ナミが小さいころから貯めた、血や泥でにじんだ9千3百万ベリーは、海軍の元へ渡ってしまいました。
アーロンは、ナミに一億なんてまた貯めればいいじゃねえかと笑います。
そして、このまま村から逃げれば、村の全員が殺されるとも脅します。
もうこれは、仲間でも同盟でも幹部でもなんでもない。
ナミは間違いなく奴隷です。
利用できるだけ利用する。
それがアーロンの人間に対する仕打ちです。
そこには、心もなにもありません。
ナミは急いで村へと向かいます。
その頃、村人たちは、戦う時だと武器を取っていました。
村人たちは、ナミが元気でいる限り、耐え忍ぶ戦いをしようと八年間ずっと耐えてきました。ですが、ナミがそんな状況になってしまい、
もう黙っていられません。
ナミの優しさをもてあそぶ、魚人が許せません。
そんな気配を察知し、ナミが慌てて戻ってきますが。
もう一回貯めるから!と村人をなだめます。
しかし、もう抑えることはできません。
みんな、戦う事を決めたのです。
ノジコもゲンさんも村人も。
ゲンさんが、どきなさい!と怒鳴るとナミを置いてみんな行ってしまいました。
死ぬつもりで行ってしまったのです。
ナミの八年間は無駄になりました。
もう誰の死ぬところもみたくないと頑張ってきたナミの気持ちを置いて、
皆の怒りは爆発し、行ってしまいました。
ナミは、どうすることもできなくなり、アーロンの入れ墨が入った自分の肩を、何度も刺して傷つけます。
ずっと流さないでいた涙も、もう流さない意味を失くしました。
ルフィが無言で止めます。
気が狂ったナミは、ルフィに八つ当たりします。
たぶん、藁をもつかむ感じじゃないでしょうか。
八年間もずっと支配され続けてきました。
ルフィでは敵わないと思っていても、
「助けて」
と、ナミの口から出てしまいました。
この言葉は、八年前にナミが封印した言葉。
言えば誰かが殺されてしまうからです。
ルフィは、宝物の帽子をナミにかぶせ、
「当たり前だ!」と叫びます。
麦わらの一味全員でアーロンパークへ向かう事となります。
ナミはずっと強がってきましたが、ここで初めて弱さを見せることとなりました。
アーロンパークの入り口にはなんと、アーロンにやられてボロボロ状態のヨサクとジョニー。
ナミを疑ったお詫びとして挑んだのです。
紙一重で負けましたが、
ルフィ達が来るまで、待ってくれと、村人を諭します。
九巻が終わりましたが、やっぱりこの巻は泣いてしまいますね。
ナミの想いが痛すぎます。
一番最悪な時に、救世主があらわれました。
ナミはベルメールさんの、生き抜けばかならず楽しい事が起こるという言葉を、ひたすらに信じて戦ってきました。
この最悪な状況を打破する時がきたのです。