六十巻に入りました。五十九巻で戦争編が終わり、絵がやけにすっきりとして見えます。
ゴム人間になったばかりの幼きルフィが〝ゴムゴムのピストル〟を編み出すも、このころはまだものに出来ていないようです。
ルフィが強い理由は、この最強に強いエース、サボと一緒に過ごした日々にあると思います。二人ともルフィにとっては三つ年上なので、ルフィは二人の強さについていくのは大変だったはず。
しかしその日々が、ルフィを成長させたことの一員でもあるといえます。
小さいエースを見ていると、こういう悪ガキ、昔いたよな~となんとなく懐かしくなります。エースに比べるとまだサボの方が『お兄ちゃん感』があるような気がします。
「ワニ飯うめェよな~」と言っているルフィが可愛すぎる。
ルフィ達の暮らしている島では、上は王族や貴族、下はゴミ山で暮らす人々と、極端な格差が広まっている様子。
ここでは『隔離社会』と呼ばれています。
この国の名は『ゴア王国』と言って、イーストブルーで最も美しい海だと言われているのだそうだ。
その背景にはゴミ山という汚点を隠し持っているというわけです。
ルフィはこの国のはずれにあるフーシャ村で生まれました。
また後々に重要な意味を持って登場しそうな島ですね。
ゴミ山がある山にいれば、誰も近づかないということで、ルフィとエースはここに預けられたのかもしれません。
エース、サボ、ルフィは中心街で頻繁に食い逃げをしていたようですが、ある時サボは実の父親につかまってします。
なんとサボは『ゴミ山グレイ・ターミナルに住む少年』ではなく、『いいとこのぼっちゃん(貴族の息子)』だったのです。
サボはそのことを、エースにもルフィにも伝えていなかったようです。
いざその隠していたことをサボは二人に打ち明けてみましたが、二人とも理解が出来ていない様子(笑)
しかしエースは物心ついてきた年頃なのか、少しふてくされ気味です。
しかしサボにとっては、裕福に見える暮らしよりも、ゴミ山での自由の方が心地が良かったのでしょう。私は金持ちの家の生まれでもなんでもないけど、このサボの気持ちは凄くわかる。
典型的な『幸せとは何か』を履き違えた家族といえるでしょう。
しかし幼なながらにその違和感に気付いたサボの非凡さがここでうかがえます。
普通であればこの年齢でははっきりと「違う」とは言えないもの。
これは漫画の世界だけではなく、未だに現実の世界でもはびこっているものでしょう。
『ここよりももっと自由でいい場所があるはずだ』と海へ飛び出していくのが人間の本能なのかもしれません。
ここで、サボ、エースは自分の夢を語り、固く決意するのでした。
そして問題なのがルフィです。
ルフィもサボ、エースに続き、何かを口に出していますが、何を言ったのかはここでは描かれていません。気になる。
シャンクスがルフィに腕一本と麦わら帽子を託した理由と関係するものとおもわれます。
この三人の夢はそれぞれ海賊になること。
しかし、それぞれが船長になりたいので、船出はバラバラになりそうです。
そして三人は〝兄弟〟になるために〝兄弟盃〟を交わします。
血が繋がっていなくても頑なにエースのことを兄ちゃんだと言っていたルフィの気持ちの原点がここにあります。
こんな過酷な状況で幼少期を過ごしたルフィはなぜあんなにまっすぐに育つことができたのか。それはその過酷な環境以上に、エースとサボと過ごす日々が最高に楽しかったからなのでしょう。
しかしそんな楽しい日もずっとは続かず、サボはある日、父親に貴族の住む町へと引き戻されてしまう。
憎たらしい父親ですが、実際こういう人間ているよなと思いました。