オトヒメとタイガーということで、16年前まで話はさかのぼります。
生前のオトヒメさまが登場しました。
しらほしとは違い、とても小柄で勇敢です。
強盗を追いかけて捕まえ、ひっぱたき説教をする。
生活が苦しくなってしまったゆえの強盗でしたが、オトヒメに説得され改心します。
実際に強盗するくらいの人は、やらざるをえなくなってやってしまうというのがほとんどだと思うので、確かに本人たちが何に困っているのかを気付いてあげるということは大事かと思います。
それにしてもこのオトヒメさま、とても感受性が強いようです。
そして気も強い!
なんとこのオトヒメさま、このリュウグウ王国を地上に移すという提案をしたというのです。魚人や人魚は地上に憧れているが、自由に行き来はできないという問題があったのです。
個人的には海の深く底にある魚人島というのは、とても夢のある話だと思いますが、その裏側では歴史の黒い部分が渦巻いていたのです。
オトヒメの提案は〝差別をする人間に対して自分たちから歩み寄ろう〟というものでした。人間=危険だと思い込んでいる魚人や人魚達は、もちろんオトヒメの言うことが理解ができません。
オトヒメ以外は〝やっても無駄〟〝歴史が答えを出している〟と乗り気ではありません。
すくすくと育ったしらほしは、赤ん坊なのにすでにこの大きさ。
オトヒメにとても大事に育てられています。
ちょっと過保護なんじゃないか?と思うくらいの愛情が、現在の純粋なしらほしの性格を生み出した。
すごく感受性が強いと思ったオトヒメさまは、やはり〝見聞色の覇気〟の持ち主でした。相手の心の声が痛いほどにわかるからこそ、とても必死なのです。
オトヒメについて語るリュウグウ王国国王によると
〝オトヒメの夢〟
〝遥か数百年の昔〟
〝我々の遠い先祖たちが試みて無念のまま潰えた夢〟
という話が出てきました。
空白の100年や、ポーネグリフの謎が隠れていそうです。
若かりし頃のアーロンやジンベエも登場しますが、同じ魚人海賊でも、考え方が少し違うようで、そこそこ仲が悪い。
そんな二人も冒険家フィッシャー・タイガーの帰りにはとても嬉しそうな顔を見せます。まだ奴隷解放前の様子ですが、このころから人望が厚いよう。
そしてこの後、天竜人に手をあげたフィッシャー・タイガーは英雄になったと同時に大犯罪者となってしまう。そこで結成されたのが、〝太陽の海賊団〟だったのです。
そこには、別々に行動していたジンベエも、アーロン一味も含まれます。