久しぶりにレオに会えたマンシェリー姫はレオに甘えますが、レオはそれを「またワガママが出た」と言って拒否します。
この場面だけを見ると、姫は相当わがままなんだろうなと思いますが、実際にはレオに対してだけわがままなのだそうです。
レオに恋しているマンシェリー姫が可愛い。
フランキーVSセニョール・ピンクとの戦いも佳境に入ります。
フランキーが押していますが、どうやらセニョール・ピンクは何かを背負っている。〝ルシアン〟と〝ギムレット〟という名が出てきましたが、これはセニョールの妻と息子の名前です。
〝すまねェ若〟と言って負けを悟ったセニョールの脳内には若き日のルシアンとの出会いが蘇ります。
ルシアンに一目ぼれをしたセニョールですが、ルシアンが海賊嫌いだということがわかると、仕事は銀行員だと嘘をついてしまいます。
やがて子供が生まれますが、そう長く騙していられることもなく、更には自分の外出中に息子も亡くしてしまう。
やけになったルシアンはその後事故に遭い、植物状態になってしまいます。
何の反応もなくなったルシアンに、ある日セニョールは息子のギムレットが着ていたボンネットをつけると、ルシアンは微笑んだのです。
セニョールがおかしな格好をしているのは、このような出来事が根底にあったのです。
誰からも後ろ指をさされるような格好ですが、こういった理由があるとわかると、ちょっと切ないような男気を感じるような、なんとも言えない気持ちになってきます。
今でこそ若い女にモテているセニョールですが、そんな状況になびかない理由は心の中には大切なものがあったからだったのです。
最後の場面は不覚にも泣いてしまった。
セニョール・ピンクで泣くとは思いませんでした。
そして変態同士の戦いを制したフランキーの優しさにもグッときてしまいました。